3月16日 都区制度改革等特別委員会

◆委員(井上ノエミ君) 
 児童相談所を設立するための人材育成について伺います。
 児童相談所の職員に関しては、大変すばらしい方もいるけれど、あまり子どもの福祉に関心のない職員もいると聞いています。役所ですからローテーションで回される人もいるでしょう。資格を持っていても、児童福祉に関心がない職員もいると思います。墨田区の児童相談所は、本当に子どもたちのために働きたいと考えているスタッフをそろえていただきたいと思います。
 虐待事件はいつ起こるか分かりませんから、9時から5時までの勤務時間だけ働けばいいという公務員の考えではとても務まらない職場です。子どもたちのために、本当に働きたいという人材をそろえることが大事です。是非この点を考慮した人材育成をやっていただきたいと思いますが、ご見解をお伺いします。

◎子ども・子育て支援部長(石井秀和君) 
 人員配置につきましては、この児童福祉の視点は大変重要な視点であると認識しております。こういったことから、人材育成に際しましては、現場の厳しい状況や虐待防止の必要性について強く認識させるための勉強会なども開催しながら、意識の高い職員を育成してまいりたいと考えます。現在も子ども・子育て支援センターにおいて、その辺の二次的な対応ができるような体制でやっておりますので、さらに児童相談所が来た折には、そういった体制を強めてやってまいりたいというふうに考えております。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、児童福祉司について伺います。
 今年から、墨田区は毎年職員を児童相談所に派遣するということです。児童福祉司は実務経験のある保健師や保育士からも採用できます。学歴だけではなく、現場経験の豊富な保育士などからよい人を選んではどうかと思いますが、どう考えますか。墨田区の私立の保育園から採用すれば、保育士のキャリアも広がると思います。ご見解をお伺いします。

◎職員課長(宮本知幸君) 
 児童福祉司の育成でございますけれども、まずは区の職員で育成が必要だと考えております。その理由としましては、まず、今、児童相談所からの派遣依頼は区の職員ということで限定していることと、枠がかなり限られているというところがございます。
 また、2番目としましては、派遣形態ですけれども、研修派遣という形で、区が人件費を負担しております。今、保育士不足な中、私立保育園から派遣するというのは、現状ではなかなか難しいのではないかと考えております。
 3番目としましては、保育士のキャリアというところはありますけれども、区の職員がまずはそのノウハウを習得して広げていきたいと考えておりますし、それから、職種のバランスも含めて、いろんな職種を育成していきたいと考えております。また、私立の保育園ということですけれども、児童相談所の業務は公権力の行使という部分が結構ございますので、公務員であるというのがまず必要なのかなと思っております。

◆委員(井上ノエミ君) 
 次に、一時保護施設について伺います。
 毎日のように児童虐待で死亡する子どもたちのニュースを聞いて、何でもっと早くあの子どもたちを保護できなかったのかと残念に思います。児童福祉法では、両親の同意なしでも一時保護はできると理解しています。
 しかし、一時保護施設が不足している、また子どもたちにとってあまりよくない環境であるところもあるようです。赤ちゃんや幼児の一時保護の場合は、里親に委託するほうが家庭的な環境を子どもたちに与えることができると思います。墨田区として、一時保護施設についてどのように考えているのか、また、里親への委託についてどのように考えるのか、お伺いします。また、里親を養成することも考えていく必要があると思いますが、ご見解をお伺いします。

◎子育て政策課長(高橋義之君) 
 一時保護所についてですが、一時保護所は児童相談所機能の一部を担う大変重要な施設でございます。そのことを踏まえまして、本区でも一定以上の質を確保できる設置方法として、共同設置を軸に考え方の検討を進めているところでございます。また、社会的擁護、里親等につきましては、国が示しておりますビジョンにおきましても、家庭的養護の拡充、家庭的な環境の中で擁護するということが方向性として出されております。そのことも踏まえまして、現在、子育て支援総合センターが東京都の児童相談所と連携しながら、里親の拡充に努めているところでございますので、今後も引き続きその里親の拡充ということについても取り組んでまいりたいと考えております。